販売名に最大級ワードはNGじゃないの?
化粧品なら届出、医薬部外品なら承認申請をする際、販売名をつけます。(商品の名前)
基本的に販売名は自由に決めることができますが、
以下のような販売名はつけることができません。
【化粧品】
- 既存の医薬品・医薬部外品と同一の名称
- 虚偽・誇大、誤認を招く恐れのある名称
- 特定の成分名称を含む名称
- ローマ字のみの名称
- 剤形と異なる名称
- 他社の商標権を有する名称
- 公正競争規約に抵触する名称
- 医薬品または医薬部外品とまぎらわしい名
【医薬部外品】
- 既存の医薬品・医薬部外品と同一の名称
- 虚偽・誇大、誤認を招く恐れのある名称
- 特定の成分名称を含む名称
- 製品こ特定が困難な一般的名称のみを用いた名称
- 他社の商標権を有する名称
- ローマ字のみの名称
- 剤形と異なる名称
- 特定の効能効果を用いた名称
- 認められていない効能を用いた名称
- 安全性を強調
- 他社の誹謗中傷
(化粧品等の適正広告ガイドラインより)
ここでは、(2)について、最大級表現の「ウルトラ、スーパー等」が不適切例にあげられています。
このことから、今回は最大級の表現が必ずしもつけられないのか?についてポイントを説明します。
たとえば、資生堂さんでは、「パーフェクトホイップ」という超有名な洗顔料があります。
これは、パーフェクトな泡(=剤型)であるから問題にならない表現なのです。
一方、パーフェクトアクア(保湿)やパーフェクトウォッシュ(洗浄)といった効能効果に係る言葉が最大級になってしまうと、認められない販売名になります。
剤型や物理的使用感等のように、効能効果や持続性の保証にならない表現であれば、
販売名に最大級の表現を使用できる可能性が高いので覚えておくと良いでしょう。
「リラックス」や「リフレッシュ」は言えるのか。
化粧品等に関する薬機法的観点で、
「リラックス」や「 リフレッシュ」は表現可能です。
ただし、「香り」や「使用感」によるものに限ります。
【ОK例】
- ラベンダーの香りでリラックスしながら、保湿ケアができます。
- 爽快な使い心地で、気分もリフレッシュ。
薬機法的観点では、下の例のように身体に影響するような「 リラックス」や「リフレッシュ」の表現は不適切とみなされます。
【NG例】
- 毎晩塗るだけで、心身ともにリラックスできます。
→鎮静作用(医薬的・治療的)があるかのような印象を与えるため
- 目の疲れもリフレッシュさせます。
→体の特定部位を示すと、 その部分を治癒しているかのような印象を与えるため
(豆知識)
香りによる印象として、「アロマテラピー効果により」 といった表現を行うケースが多いですが、
「テラピー」=「治療・ 治癒」
との意になるため薬機法的観点からして不適切です。 気をつけましょう。
上記のポイントに気をつけながら、「リフレッシュ」や「 リラックス」といった言葉を活用し、 お客様に響く広告を作成していきましょう!
シワは一言で片付けられない
化粧品
乾燥小じわを目立たなくする(効能評価試験済)→試験をすれば書ける。
基本的には保湿をして小じわを目立たなくさせる効能を指す。
そのため、「深いシワに」や「シワがなくなる」ような表現は認められない。
医薬部外品
シワ改善→PMDAの個別承認が必要
そもそも都道府県の薬務課へ届出しているか、時間と費用をかけてPMDAへ審査請求し、個別承認を得ているか、薬事の人間からしたら全く別物です。
一般消費者にとっては「しわ」って書いてあるし明確な違いもわかっている方が少ないのではないでしょうか。
いずれも効能評価についてのシワグレードは明記してはならないと東京都の薬務課が指示されています。
このシワグレードの説明中、「深いシワ」の概念が薬事の業界と一般消費者の感覚とで大差あるのではないでしょうか。
実際、一般消費者の感覚と比べて全然深くないですし。
続きは、増えてきた「シワ改善」についての違反事例に対し、広告審査会等ででてきた見解や考え方をお伝えします。
共同研究の成果や特許取得をアピールするには
化粧品技術の開発者が努力して掴んだ、
共同研究の成果や特許取得に関して
広告で訴求できないことを
もどかしく感じるのではないでしょうか。
化粧品等の広告において、
医療関係者等の推薦や特許取得等の表現は禁止されています。
医療関係者等の推薦の禁止
- 医師や看護師、病院等
- 行政機関等
- 大学との共同研究
- 世人に影響を大きく与える人や団体
これらに「おすすめされている」、「開発された」表現が事実であっても禁止されています。
特許表現の禁止
特許に関する表現は、たとえ事実であっても禁止されています。
☆広告ではないところでアピールしよう☆
薬機法上の広告の三要件
- 顧客誘引性がある
- 製品名が明らかである
- 一般人に認知されるもの
これらを一つでも満たさない資料やページであれば、化粧品の広告表現ルールが適用されません。
- 研究成果報告サイト
- コーポレートサイト
- IRプレスリリース など
ただし、
これらを用いて製品を購入させようとする意図が明らかになってしまうと、
行政からは一連の広告とみなされるケースがありました。
そのため広告以外のものに、
以下のようなことをするのは避けるべきです。
- 製品リンクへのページをはる ☒
- 明らかに連続させて広告に利用する ☒
諦めないでください!
さまざまな手法を用れば、
研究成果等をアピールすることは可能です。
「若返り」表現ができる場合もある
とある新聞折込チラシにて、ファンデーションで上手い表現を見つけました。
肌印象が若返る ※
本気の若見え※ファンデーション
※メイクアップ効果による
このように、メーキャップ化粧品に限り、
「若返って見える」表現ができるんですね。
ただし、以下の配慮が必要と思われます。
- やりすぎは禁物
- 打消(※)を近くに、わかりやすく。
あくまでも、この広告を見た人が、
「塗ると肌が若返る効果(アンチエイジング)があるのね」
と思わないようにしなくてはいけません。
塗っている間だけ若く見せることができるのね。
このような印象を与えるようにすれば、
決して若返り表現を使えないわけではありません。(メーキャップ化粧品に限る)
美容室のメニューと商品の法規制
美容室のワンコインメニューとして、
育毛剤塗布とマッサージをセットにした、
「女性のためのエイジングケアコース」
このメニュー名は問題ないか?とご相談がありました。
そもそも美容室の施術メニューについては、
薬機法対象外です。
(美容室で販売される医薬部外品や化粧品などが規制対象)
そのため景品表示法としての誇大広告になっていないかが今回の相談の焦点となるため、
ポップなどの印象が極端な若返りや老化防止になっていなければ問題にはならないでしょう。
ただし、このメニューの延長上、
すなわちクロージングで使用した育毛剤を販売するとなると薬機法と切り離すことが難しくなります。
美容室などでは、メニューと商品販売で訴求できる範囲も変わってくるので注意が必要です。
言い換えれば、
メニューと商品販売で異なるアプローチの方法も可能ですので、
景品表示法や薬機法をしっかりと理解しておくと他店との差別化も可能です。
是非、お気軽にご相談くださいね。
「美容成分」て書いちゃだめ?
美容成分は配合目的になり得るのか?
化粧品の広告では、
成分名を記載した場合は配合目的を併記する必要があります。
理由は、特記されたその成分が有効成分であるかのような印象を与えないようにするためです。(化粧品等の適正広告ガイドライン2020年 F5.5より)
化粧品で認められる範囲内の配合目的とは
- 保湿
- 保護
- ツヤ付与
- ハリ付与
- 毛髪補修
- 肌をやわらかくする
などの56効能の範囲内です。
〇〇エキス(美容成分)としてしまうと、この56効能の範囲外の効果を想起させてしまう可能性があります。
その場合は、下記のように表現することをおすすめします。
美容成分の〇〇エキスが潤いを与えもちもち肌に導きます。
こうすれば、後ろに化粧品で認められた効能効果が記載されているので誤解を与えることはなくなるでしょう。
どなたかのご参考になれば幸いです。